早川素子

修復という仕事自体、その形だけじゃなく纏う空気や息遣いを再現するものだという話を聞いたことがあります。 修復されるものには、作られたとき手に取ってもらえたとき、それを愛でているときに必ずしもストーリーが潜んでいるものだと思う。 ドラマチックでなくとも、きっとその誰かが生きる中で、いつしか懐かしいを呼ぶものになったりするもの。修復してほしいと願う人がいるのなら、それはもうほとんど確実。 修復士、というだけのものではないのだけれど、この移動型の本屋さんはその仕事も担っている。切ないようなもの哀しいような空気が随所に漂っているのも良い味が出ていたところだと思います。 堪能させていただきました。 きっと、だんだんと紙媒体の記録は衰退していくのだと思いますが、なくなることはないのだと思います。その中で、こうして本を愛する人がいつの時代になってもいてくれるといいなと、本を出すことを夢見る私は願うばかりです。 素敵な作品をありがとうございました。
1件・1件
>早川素子、雨宿りのための物語を書こう。さん お読みいただき、ありがとうございます。 確かに、想い出の品には、その時の空気や息遣いが根付いているような気がしますね。 以前、新装版になって同じ中身の本を買いなおしたのですが、中身は同じなのに、愛着を感じるのは昔の旧版であったことがあります。 変わらないものはありませんし、後ろを向き続けても、よくはないのかもしれません。でも、少しでも長く、大切なその時の想いを生かし続けたいと願ってしまうのは、その時間に出会えた感謝を忘れたくないから……などと、考えてしまいます。 そんな想いを含めながら、この作品を書いたのだと想います。 私も本を好きな一人と
1件

/1ページ

1件