羽田伊織

「おまえが知って何をどうすんだ。もう過去の話だ。なんもできやしねえよ。俺らは人の知られたくねえ闇を覗くのが仕事だ。それを金で売ってんだ。畔上がおまえと平和に暮らしてんならそれがすべてだろ。あれもこれもと欲張ってんじぇねえ」 *** 「……気が立っててよ……。抱きしめてもいいか……」 「いいよ」 その言葉に腕を伸ばし背中を抱き寄せた。あの痛ましい身体は、いま俺の腕の中にある。 二年の孤独を堪え秘めた身体。労わるように背を撫でる。 *** 今朝、触れただけの唇。俺の頬を包み込んだ両手。畔上の優しさ。 両手を伸ばし、畔上の頬を包んだ。 「あんたの全部をもらっていいか……。思い出も、身体も、心も」 「……君だから、いい」 触れた唇は熱かった。 *** 『斜交い』もラスト近くなり、文章のあとからではなく同時で挿絵を入れました。 少しでも楽しんでいただけますことを願って。 /_novel_view?w=24879084 センシティブ 大人向け シリアス 年下攻め

この投稿に対するコメントはありません