ウマイ!ーーそのひとことにつきる。 これほど巧みな作品は、なかなか、お目にかかれません。 作中に出てくる、あの人物の生前に書き残した未発表作品と言ってもいいくらい、完璧な筋運びに、文体模写でした。 もちろん、文句なしで面白い。 発想も素晴らしいです。 この作品に関して、技術的には言うことなしですね。(ただし、三点リーダとダッシュは偶数使用が出版業界では一般的ですが。それ以外はプロレベル) ふだん書いてるレビューは、ここで終わります。 ですが、永戸さんはプロを目指しておられて、いずれ、そこに手の届く距離に立っている数少ないなかの一人だと思うので、あえて希望を言わせてもらうと、読ませていただいた2作(ラグナロクはまだ途中ですが。すいません)が、いずれもリスペクトされている作家さんのカラーの濃い作品でした。 なので、じゃあ、永戸さん本来のカラーは何色なんだろう?ーーと、ちょっと思ったり。 次は他の作家さんのカラーを排除した、これぞ永戸カラーという作品が見たいなぁ……という、むちゃぶりもムチャぶりですね。 ですが、たぶん、永戸さんはもう技術的なことではなく、その上を目指すには、どうしたらいいかという域で悩んでおられると思うので、あえて書かせてもらいました。 今回が狙って、あの作家さんの色を濃くだそうとされてる作品なので、特殊なんだということはわかっていますが。あまりにも作品の狙いが完璧にいきすぎたせいと思ってください。 もしご立腹でしたら、レビュー消してくださいね。

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