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僕のカテキョ
あーる
2017/12/26 22:38
『ひとつ違いの幼馴染』 このお話のキーワードはそこにあるような気がします。 集団生活に入る時期も一年の差がある。すると世界の広がり方も差が出てしまいます。 追いつけない小さな差。それも幼い頃の一年は大きい。けれど、実は歳を重ねるごとにその差は縮まってくるものだったりもします。 ハイレベルな高校の二年生、祐也と、彼を追いかけ入学した亮太。ふたりは数年のブランクはあるものの幼馴染み。 亮太は学習不足(本当はできるのに!)を補うという理由で祐也に家庭教師を依頼し、それをきっかけに、一度途絶えたふたりの関係が動き出します。 高校生の軽くてどこか浮かれているような会話。心の中ではあーでもないこーでもないと気持ちがグルグルしている感じ。そして、心情を語る以外のシーン…例えば、階下にぶどうを取りに行って戻ってくる。それだけの場面で、一緒に過ごせる時間を待ち望み、浮かれ喜んでいる亮太の姿がヒシヒシと伝わってくる。そんな丁寧な描写が点在し、まるで目の前にふたりがいてそのやりとりを見ている、そんな気持ちなりました。 常に一歩先を行く祐也。亮太にとってはいつだってヒーロー。 祐也自身も幼い頃から自分が亮太を守り導く存在と位置づけています。 そんなふたりの関係が、祐也が恋心を自覚していくにつれ、少しづつ複雑さを増してしまいます。 高校生ふたりの恋情と性の欲求のゆくえにリンクするように、幼い頃からの様々な思い出が織り込まれ語られて行きます。 現在と過去のいろいろな想い、シチュエーションが交錯するこの物語展開が、ふたりの世界を奥深くしているのだと感じました。 すんなりとは進まない交際の理由も知り、もどかしくほんのり苦く、そして微笑ましい気持ちにもなります。 ずっと亮太を清く幼く守るべき対象としている祐也。でもいつの間にかすぐ横で肩を並べていた亮太。それに気づいたとき、ふたりの関係は前進し強く繋がります。 後半は亮太の奔放さが真面目で臆病な面もある祐也を解きほぐし導いているような…亮太は甘えん坊で祐也を頼りにしているけれど、実は強くしっかり者の顔も見える気がしました。 ひとつ違いの幼馴染みという特別な存在。 そんなふたりならではの戸惑いや葛藤、抱く想いを感じながら、まわり道もあったけれど気持ちがしっかりと繋がった今と、そんなふたりの未来をずっとあたたかく見守っていきたくなる。そんな素敵なお話でした。
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たろまろ/「八月三日」書籍化
2017/12/27 12:28
あーるさん素敵なレビューをありがとうございます!(∩´∀`)∩ワーイ 幼なじみってある意味刷り込みですよね。 いつも一緒で、いつも助けてくれる。ずっと優しい。ずっと楽しい。そんな幼なじみがいたら、大好きになって当然ですよね^^ 「三つ子の魂百まで」という諺もありますが、亮太にとって祐也の存在は家族と同じレベルで近くにいて当たり前の存在だった。なのにたったひとつ年齢が違うだけで、ずっとそばにいられなくなってしまう。 普通は「仕方ない」と思うものです。でも亮太は諦めなかった。本人も言ってますが腐った時期もあった(笑)それでもどうしても祐也を取り戻したい。魂に刻み込まれた信頼感や絶対的ヒーロー
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あーる
2017/12/28 8:08
たろまろさん、おはようございます(´∀`) お返事ありがとうございます! またまたたくさん語ってくださって、本当に感激です(*^。^*) そうですよね。 (↑もうテンプレ!) あの亮太を作ったのは、紛れもなく祐也なんですよね。 プロローグの亮太のつぶやき、なんてキラキラしてて固くて強い気持ちなんだろうと思ったんです。 そういう心持ちになれたのも、幼い頃から培い育て上げたふたりの強い絆の賜物なんですね。 その幼少期の思い出を一気に時系列で語らず、現在のままならぬ状況に絡ませながら、ポイントポイントで語られていくことで、すごく説得感がありお話の深みが増していると感じられました。 お話毎にし
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