佐崎らいむ

私の大好きなシリーズの、第6弾。 クラウドナインを先に読んだ方なら、「あ、あそこ!」と思い当たるシーンがあるはずです。 今回は、意外にも有紗がメインでした。 仕事にも自分にも少し自信の無い、でも心根の優しい、一生けんめいな可愛い女性。 彼女が仕事で関わる人々を通して様々な気づきを得ていく成長物語であり、お仕事小説なのです。 でもこの物語の凄いところは、読んでる人間にも沢山の気づきを与え、有紗と一緒に成長させてしまうところにあるんじゃないかな、なんて思います。 かくいう私も「ああ、こういう考えはよくないよな」なんて仕事中に、1人で反省したり(笑)←成長はまだ遠い 宇美(有紗の上司)だったら、どうするかな、なんて自然と思いを巡らしたり。 (悲しい事に、私の職場には宇美もまきちゃんも神長もいないのですが←いないよそりゃあ) Satoriさんの描く女性も男性も、キャラの個性が確立されていて物語の中なのにちゃんと生きてるんですよね。ブレない。 優しくて仕事も気配りの出来る人たちが多く登場するのですが、それぞれが皆ちゃんと個性を持ち自分たちの時間を生きて、役割を持ってる。当たり前のようで当たり前じゃない。小説を書いていると、そう言うのをひしひしと感じます。安心して身を委ねられる、という事なんですよね。 宇美の出した課題、まきちゃんの真摯な誘いのことわり方、神長の彼にしかできないアドバイス、華美の程よい距離感。 嫌な人なんて出てこないのに、読者は有紗と共に一喜一憂しながら、大事な事に一つ一つ気づいて行く。 なんて素敵でおしゃれな自己啓発本なんだろう。 作中に出て来るたくさんのスイーツやお店のシーンも見逃せません。お菓子の役割にも、注目! そしてラスト、有紗の揺れる恋心を「かわいいなあ、がんばれ」なんてホンワカ見守って終わる……と思っていたのですが、……Satoriさんにやられました。 いや、やられたのは私だけか? あの二人の何気ない(?)会話に、一気に全部持って行かれました。 ちょっとまって、この話は何だっけ!なんで作者は最後にそんな萌えを……。 全部飛んじゃって、二日かけてもう一回最初から読み直して、これを書いています。 もう、まったく。レビュー文字数無くなっちゃったじゃないですか。 本当に油断も隙も無い(笑)。最高に面白い、シリーズ第6弾でした!
4件・1件
らいむさん☆ こんなものにまで丁寧なレビューをいただきすみません><; そうそう。エンタメ色より啓発本的カラーが強いんだよね。キャラと一緒に考えながら経験を共有できて、楽しく学べる読み物ってあんまりないような気がして、Styleから始まってそういうのは定期的に書いてる気がします(笑) マイジャンルでもあるんだけど、どうなんだろうね。ニーズがないから世の中にあまりないのか、単純に書き手がいないのか……。 本当は巻末に東京お菓子ガイドとか、レストランガイドをつけようかと思ったんだけど、まあいいかとそのまま終了しました(笑) 有紗の話を書いたらお菓子も出てくるので、またの機会にしておきます。(長
1件

/1ページ

1件