KAMATA

おそらく結末から始めるというのは、技量が高くないと出来ないのだと思います。 読者は「落下地点」が予め分かっている。 だから、上手くラストに導かれても「ああやっぱり。なるほどね」という納得感だけで終わる事が多い。 だがこの作品は、ラストに向かう時点でさらに突き落とされる。くそっ、暗がりはもっと深かった…… この、距離感を見誤って落ちていくような、ヤラレタ感といったら。 主人公が花形職なので、読者は爽やかに読み進めていた筈が、 いつのまにか汚泥感が漂っていて、気付いた時にはもやは手遅れ。 読者は、首までホラーな腐臭に浸かっている。 人間の性格とか諸々、「嫌な要素」があちこちこっそり仕込まれているのが絶妙で、 囲い込み漁のように、最後はまんまと作者の思惑の中。それがとっても悔し楽しい。 書籍化されたのが納得の、満足感に浸れる作品でした^^
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レビュー、ありがとうございます(*^▽^*) なるほど。そう言われてみると、結末から書きだすのはリスクが高いのかもしれませんね。 僕は長編も短編も、かなりの数書いてるので、なんていうか、プロット作りは、もう勘なんですよね。こういう書きかたしたら面白くなりそうっていうのが、書きだす前に、パパァーっと頭に浮かんできて、書きながら整えていくと、ラストには、いい感じにまとまるっていう……。 なので、この話も狙ってというよりは、たまたまなんですがw たぶん、無意識下の意識のおかげですね。 人間をななめに見てるので、こういう癖のある人物を書くのは、けっこう得意なんですよw むしろ、ほんとに清廉潔

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