藤白 圭

人は自分と違うところがあるだけで、他人に対して「変」という。 集団の中にいて、秀でた能力なら誉め称え、特殊であったり異質な存在であれば心ない言葉を言ったり、最悪、排除したりする。 この物語の主人公も、周囲の言葉や態度に傷つけられた一人。 膝を抱え、周りからの目も言葉も遮断し、自分の世界に閉じ籠る彼と、国を追われ、公園に集まってきた姫たち。 互いに別の種族であり、別の世界に生きる者同士だけれど、いつしか心を通わせる。 差別や飢餓。 政治に紛争。 そういった問題定義をナチュラルに入れ込みながらも、種族を超えて仲良くなれる。 そして、1つのキッカケで人は成長し、視点も変わるというメッセージを組み込む手腕は流石です。 切なくも温かく、たおやかな中にも、綺麗事だけではないところが、大人にも子供にも読んでもらいたい童話です。
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快紗瑠さんレビューありがとうございます! 自分の作品では、同じようなテーマを扱う作品が多く、目新しさはないと思いますが、孤独に対する自己肯定の過程、みなのやさしさを育み、成長させることの大きなテーマ性を何度もふりかえることにより、うたうものらしさといったものが少しは表せたかな、と思っております(^ ^)

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