(応援)言い過ぎでは無く、文豪の作品を読んでいると感じます。 自分をさらけ出し、事ある毎に屑だと自分を貶める。実際に歩んできた人生と、現実の状況は、確かにお世辞にも良い人とは言えません。ですが、読み手の多くは、こう感じるでしょう。雄二は穏やかな波。どこか憎めない人物だと…… 純代さんは、影を背負う穏やかな波を愛したのだと思います。自分を分かっていて、それでいてどうする事も出来ない雄二を自分に重ねていたのだと感じました。 二人の思い出を振り返りながら進む展開は、優しく儚く、切ない虚無感を覚えます。それが気持ちよく感じて、気が付けば雄二の世界観にどっぷりと浸かっていました。細かく散りばめられた秀逸な表現が素晴らしく彩を添え、緩やかなテンポが心を掴んで放しません。 全てが混ざり合い、感情の奥底まで吐き出した言葉には、多くの想像も駆り立てられました。私ならどうするだろう? どう考えるのだろう? そんな想像が次々に浮かび上がります。それは、人の心理が十分過ぎるほど素晴らしく表現され、読者に伝わって来るからだと感じました。冒頭からラストまで、一度も引っ掛かり無く読み終えられるレベルの高い作品なんです。ダイレクトに描写が浮かび伝わってくるのです。 面白かったです。久しぶりに物語の世界が最初から最後まで、頭の中で再生されました。 レベルが高すぎる、プロの作品を堪能させて頂きました。面白かったです!
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