二瀬幸三郎

二瀬幸三郎です。 拝読させていただきました。 …………とてもシュールな世界です。 〈言語空間〉……冒頭、ぐちゃぐちゃとした文体が主人公の混乱ぶりを表現し、それが徐々に分離し、会話が成立していく様は、まるで[世界創造]を思わせます。 また、段落による人物の違いを表現するのも、本作ならではでしょう。 途中、脱出のために[共同執筆]が行なわれますが、そのラスト近くにもまた、二段三段のオチを被せ、読者を良い意味で混乱させてくれます。 ただ、この作品はある意味ではシュール、ある意味では哲学的である故に、読む人を選ぶ内容とも感じられます。 しかし…… [文字で世界を表現]する文学に対し、[文字だけの世界を構築]するこの作品は、確かに、文学に対する挑戦と言えるでしょう。

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