あおい 千隼

レビュー失礼します。 (応援) 神童モーツァルトの生涯を通し、彼自身の思い出深い転機を短編へとピックアップしたご作品です。 幼い頃より作曲家でありバイオリン奏者の父から音楽を受け継いだ主人公。彼も秀でた才能を発揮し、父とともに美しい音楽を生み出していきます。 作曲をしますと楽譜に認め、それを売り生計を立てます。各地をまわり彼らの音楽を広めてゆくのでした。 父はウィーン・ザルツブルク宮殿の宮廷バイオリニストに。そこで主人公は運命の出会いを致します。 幼い主人公は快活で、テーブルの下にもぐり愛らしいプリンセスと言葉を交わします。 それが後のフランス王妃だとこのときは考えも致しません。 それから主人公の生涯もプリンセスの運命も、そしてフランスの未来も刻一刻と変化をしていくのでした。 主人公がフランス王妃と再開を果たし、それから情勢は変わりをみせ、以後ふたたび逢うことは叶いません。 それでも主人公の心には初めて出逢った少女の幼さが宿っているのでした。 蕾から艶やかに咲き誇る大輪の薔薇のようなフランス王妃。主人公が心に咲かせた小さな恋の花は、生涯枯れることはなく美しい旋律の花として開花するのでした。 最後は切なさを残し終幕を致しますが、主人公の儚い想いを綴られた素敵なご作品として、しっとりまとめられております。 感動の花。儚い恋の調べ。 ありがとうございました。
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