かっぱ寿司

小説にそういう表現が正しいかわかりませんが、そこここにレトロな雰囲気を感じるお話だなと思いました。駅舎や街並み、人々の様子がまるで古い映画のように再生され、そこに煙草の匂い、海の香りといった場面に応じた香りまで感じられる作品で世界観が本当に素敵だなと思いました。 オメガバースってアルファと惹かれあうことが本能で、そこに自分の意志があるのかというところで悩むケースが多いんですが、この作品の主人公は普通に恋愛の事で悩んでるというか…それがすごく新鮮でした。主人公が攻めを「アルファ」ではなく「夏目」としてとらえて悩んでいるところがとてもいいなと感じました。だって、バース性って本能の事で結論なんかでっこないと思うんですよ。冷たい言い方ですが、考えるだけ無駄といいますか…。今、本能的に空腹を感じているから食べたいのか、食べたいという意思があるから食べたいのかなんて誰も考えないと思うんですよ。その次元の悩みだろって感じて、なんかなぁと。私はオメガでもアルファでもないので、悩みを察することはできても共感はできないのです。いつも「アルファとかオメガとかそんなの無視して人間として好きか嫌いかで考えればいいのに・・・」と思ってきた、そんなヤキモキした気持ちを主人公に一掃してもらって非常にスッキリとしました。「この人が好き。それ以外はどうでもいい」ってホントそれだと思います。 また別の作品にお邪魔することもあると思います。楽しみにしております。
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本作、初レビューをいただきました。ありがとうございます!伝えたかったことがきちんと伝わった気がして、本当に嬉しいです。これを励みに、日頃の執筆も頑張りたいと思います。
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