雪翅

    読み終えた時、一番に出てきた言葉が“復讐”でした。 すごく個人的な解釈ですが、何年間も桜の木の下に立っていた男の子は、もしかしたら、ずっと彼女を睨んでいたんじゃないのかな。母の元へ帰してくれなかった彼女を恨んで。 だから、彼女の罪を、花びらという形で告発することで、復讐を遂げた……私にはそう思えてなりませんでした。 桜が狂わせたのは、果たして彼女だけだったのでしょうか。 とても静かで穏やかな情景なのに、その下には人間の狂気が広がっていて。 その対比がとても引き立つ作品だと思いました。
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雪翅さん~、花翳を読んでくださって、そして素敵なレビューをありがとうございました! 雪翅さんの感想、ドキリとしました。 前面には出していませんが、きっとその要素もあったんだと思います。 あのゴム毬の花びらが幻のように消えたのは、あの子が幻で警官を誘ったからだ……という見方もできるし。 男の子の感情は、物語の中にあまり強く盛り込んでいなかっただけに、雪翅さんのコメントに、また新たな側面を見つけることが出来ました。(ちょっとゾワッと鳥肌) そう、ここにあるのは人間の罪と狂気が生んだ幻で、真実や答えは描かれていませんが、読む人によってきっと、印象や感じるものが違うんじゃないかな、と思いました。
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