青木ぬかり

 著者さまは、本作にどれほど御自身を投影されているのでしょうか。  流れるような文章を読み進めながら、私はそのような想いに包まれました。  愛のかたちはひとつではなく、また、個が持つ愛のかたちは時間とともにうつろうもの……。  親の愛も然り、自身が歳を重ねてこそ気付くことも多々あると思います。  こころの空洞を抱えさまよう、現代を象徴する物語です。  幸あれ……。 物語とはいえ、それを願わずにはいられません。
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