青木ぬかり

 本作は、すべからく既婚者であれば胸を熱くする物語だと思います。  もちろん作中で描かれるシーンとは異なりますが、否応なしに読者は己が体験を思い出すはずです。  人に歴史あり……。読後の余韻は「物語」という垣根を越えて、読者自身の回想へ向かいます。  世には、続かずに解消されていく契約もありますが、そういう人のこころさえも温める作品です。  幸せがそこに存在していたことを確認できるのですから……。
1件

この投稿に対するコメントはありません