加藤みゆき

格好いい紗川探偵、味のある言動をとる探偵助手の三枝くん。 筆者さまの書くキャラクターの魅力や物語の作り込み方、情景の鮮やかさ。 そしてなんと言ってもグルメ描写のヤバさは間違いなく飯テロで深夜に読むとダイエットの天敵だという話は、他の方も書かれていますので、ここは少し変わった視点で感想文を送りたいと思います。 ひとはそれぞれの正義感を持っていて、その信念に基づいて生きている。 ひとりひとりの話しを聞けば、それもわかるなぁと理解出来る気もするのだけれど、たくさんの人が関われば関わるほど、齟齬が生まれ、微妙な食い違いが重なり、結果いつの間にか、簡単には越えられないほどの深い溝が刻まれている。 この物語は上質な推理小説であると同時に、人間関係の難しさを書いたヒューマンドラマでもあると感じました。 善と悪がきっぱりと別れた勧善懲悪物語ではない。 正直、事実を知った時は、どこか後味の悪ささえ感じる。 真実を知ることに、いったいなんの意味があったのか。 そんなことさえ思いながら読み進めていたわけですが、紗川探偵の12章のラストのひとことで、彼の真意がようやく見えました。 彼もまた、彼のエゴで動いていたのだと。 紗川さん、どこまで人間らしいんでしょう。 クールな外見、確かな実力。 その気になれば舞台の主役として大々的にヒーローにもなれたのに、淡々と己の目的だけを遂行する。 自分の本当の力量を知るものでなければ取れない行動だと思います。 だから、ある者がみれば冷酷で、ある者からみればこれほど優しい人もいないのでしょう。 叶うなら探偵さんが優しくみえる立ち位置にいたいものです。 敵にまわしたら、これほど恐ろしい人はいないでしょうから。 楽しかったです。ありがとうございました。
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mimikoさん……素晴らしいレビューをありがとうございます……!! もう、言葉が見つからないほどの喜びです。 そしてなにより、 凄いと思うのは あえて書いていなかったことを読み取ってくださったところでした……。 悪いだけの人はいなくて、 横暴に見えても、その人なりの理由や正義があったりします。 mimikoさんの書かれる作品をおもえば これは言葉にするまでもなく 自然に感じ取ってくださったのだろうと思うのですけれど…… ああ、流石です。 分かるひとだけ分かればいいと、 敢えて説明していなかったことを全部、見通していらした……。 紗川のキャラの立ち位置、 「ある者がみれば冷酷で、ある者
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嶋藤紫さん わざわざ、ありがとうございます(#^.^#) いえ私が読み取ったわけではなくて、 嶋藤紫さんの文章で伝わってきただけでございます。 それが筆者さまの力量。さすがでした。 交差する思惑。伴って二転三転する犯人像。 面白かったです。 さて、まったく話は違うのですが、今さらで恐縮なのですが、教えてください。 嶋藤紫さんのお名前なのですが、前に源氏物語がお好きだとどこかで呼んだ記憶があり、それで勝手に、 嶋 藤紫さんだと思い込んでいたのですが、間違っておりましたでしょうか。 嶋藤 紫さん? もしそうなら、大変失礼しましたm(_ _)mごめんなさい。
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