まず、想像意欲をかきたてられるタイトル。 序盤の内容を読んで、1度成る程と納得させられます。そのままほのぼのとした展開が流れた後で、ラストにもう1度納得させられます。余韻残るラストのセリフもシンプルなものですが、その言葉を呟く登場人物のコマが自然と浮かんできます。 作品そのものは雨が降った後でのお話なのですが、お話全体の雰囲気としては、雨が降る前、ふいにどこからともなく雨のにおいがする時のような、あの実体のつかめないような不思議な感じです。 日常の1コマの中に混ざりこんだ非日常をゆるやかに描いた、ほのぼの現代ファンタジー。 この作品を読んだ読者はきっと、雨上がりのにおいを誰かと共に感じながら、美味しいクロワッサンに舌鼓をうちたくなることでしょう。
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