青木ぬかり

 素敵な導入から一気に読ませてくれる作品です。  あえてひとことでいうなら「こころが若返る作品」でしょうか。  初恋も片想いも、そして両思いも、いずれにしても「恋」は日常に力をくれます。  それがもっとも色濃くあらわれる年ごろを描いた物語は、読む者をして過去を回想させる力がありますよね。  現実にあり得るストーリーであることにも、そして読み手に優しい文章であることも本作の美点です。  劇的な展開だけが小説ではない。……ですよね。
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