西 東

読んでいる最中は、ずっと耳の奥で雨の降り注ぐ音が聴こえている気がしました。 最後には晴れ渡る青空が見える様でしたけど。 初めて出会った時から変わらない気持ちを大切にして、歳月を重ねる毎に早熟な考えを持ち出して来る人とは一線を引いた考えで幼なじみに接する姿は不器用さと真っ直ぐさを感じます。 それだけに自分の中にある気持ちに蓋をして、変化を怖れている部分を感じもしました。 初めて出会った時を思い出させる雨宿りの場面には、宝物を大切に扱っているイメージがわきます。 立ち回りはスマートではないかも知れませんが、明るく希望を想像させる最後には爽やかさも感じます。
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>西 東さん お久しぶりです、お読みいただきありがとうございます。 雨の日というと、身動きしづらくもありますが、代わりに自分の心に向きあう時間を与えてくれる気もします。 主人公もまた、出会った日の憧れを大切にしながら、そこから変わろうとしています。変わろうとしているのは、相手も同様なので、互いにではあるのですが。 そうした不器用な距離感を、今回の題材にこめたつもりですので、そう言っていただけて嬉しいです。 ありがとうございました。
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