絵本を読んでいるかのような感覚。いや、詩のようでもある。 美しい言葉のひとつひとつが景色を浮かび上がらせ、人物たちの表情を映し出し、心を描き出す。 あまりにも叙情的な語りは、はたして小説というカテゴリーでくくっていいものなのだろうか、とこちらを戸惑わせる。 しかし、気がついたらストーリーに飲み込まれている自分がいた。 この少女は何者? 本当に天使なの? どうして傷つけられなければならなかったの? 謎を抱え読み進めていくそのさなかで、読者は少女と共に哀しみ、傷つき、折れた翼の痛みにむせび泣く。 美しい少年に出会った場面では、心を揺れ動かし、穏やかな優しさに胸を掴まれる。 これは、人間の心の中を旅する紀行文と言えないだろうか。 ラストですべての謎は明かされる。 少女は大切なことに気づき、未来を生きていく活力を得る。 読者もまた、長い旅の末に心が洗われゴールに辿り着いたような、そんな爽快感を得るのだ。 美しい小説である。静かに力強い小説である。 生き辛いこの世の中で、歩くことにふと疲れてしまったとき、そっとページをめくって欲しい小説である。
1件・3件
チルヲさま。 素敵なレビューを書いて下さり、ありがとうございます! このレビューが一つの作品であるかのような、美しい言葉の数々に感動致しました。 伝えたいこと、浸ってもらいたい世界。 それらを読み取っていただけて、とても幸せです。 私にはもったいないほどのレビューです。 本当にありがとうございました!
1件2件
とても好きな世界観でした(´∀`*) 最近ずっとコメディを書いてるので、小鳥遊さんのこの作品読んだとき、うわぁ~!わたしもまたこういうの書きたい~!って打ち震えました。それくらい、影響力のある作品。素敵でした♪ レビュー書く約束、果たしたぞ!(笑)
1件

/1ページ

1件