夏野かじか

「あたしのはなし」 レビュー失礼します。 このシリーズ全部で、一つのお話なので、ここでまとめて感想を書きます。 このシリーズだけで読んだだけの場合と「あたしとひぐっちゃん」シリーズを読んだ後では、感想が大きく異なります。 謎の部分が解き明かされ、より深くひぐっちゃんの事を知ることができます。それは、ひぐっちゃんファンにはたまらないご褒美です。 ですが、「あたしとひぐっちゃん」を先に読むと、この作品の結末・エピローグの受け取り方は変わってしまいます。 なので、ここではラストには触れません。 個人的に、無戸籍について調べたことがあり、無戸籍の現状やその人たちの境遇のようなものに、終始ジレンマを感じていました。 えりすがどういう生まれ方をしたのかはわかりませんが、現代社会における「必要闇」の底辺の人達の一人であったのだろうと想像しました。 実際、現代社会において、えりすのような人は保護されるべきだと、私も思います。 だって、人は平等であるべきだから。 けれど、「必要闇」の存在を国で認めているような一面があるのも事実で、実際そこから抜け出せる人はとても少ない。 そんなシビアな現状をえりすだけではなく、丈一や鴎さん、そして譲次に至るまで「人の持つ闇」の存在をまざまざと見せつけられました。 (いえ、ここに出てくるありとあらゆる人間の、と言っても過言ではないかもしれません) 「人には誰でも手放させないものや、譲れないものがある」 この言葉が胸に刺さりました。 そして、譲れないものを守るために何をするべきなのかも。 このシリーズを読んでいる間も読み終わってからも、読者はきっと大きな闇に呑み込まれてしまうと思うんです。 だから作者様は、7年後の続きを書いてくれた。 闇から抜け出せるでしょうか。 光は見えるでしょうか。 その先へ進みたいと思います。 闇に呑み込まれておいて、なんですが。 いつもお花畑で生きている私にとっては、たくさんのことを考えるきっかけをくれる教本です。 生み出してくれた作者さまも大変な精神力を必要としていたと感じます。 ですから、なおさらのこと、とても感謝しています。 ありがとうございました!
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るえかの雨さま いつもおやさしいレヴューありがとうございます。 「必要闇」。言いえて妙な言葉ですね。「あたしのはなし」はエンターテインメント作品ですが、そのように社会について考えていただけるのは望外の喜びです。(しかしながら、「教本」はいい過ぎです(^^; えりすはとてもいい子なので、幸せにしたかった。それで「七年後」を書きました。幸せの形は人それぞれだと胸を張っていえる、もっとゆるい社会になるといいですね。
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とりおさま。 ちょうど今、7年後を読み終わったところでした。 光は見えるだろうか、とドキドキしながら読み進めました。 光は見えるどころか、光で溢れていました。 理想的ですね。 農村部で、過疎化対策でもどうでもいい。 LGBTQの人達を受け入れ、養子を受け入れる社会システムがある環境は素晴らしいと思います。 えりすを幸せにしてくれた結末に本当に感謝です。 あ、店長さんも幸せになってくれて良かった~。 とてもとても嬉しかったです。っw 最後に鴎さんが登場するのも、嬉しかったです~。 やはり、鴎さん素敵ですね!w
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