未知春生

苦手なBLでしたが、美しい、の一言に尽きます。完敗です( ;∀;) 夏にアルバイト先で知り合い、気持ちを確かめ合った真紘と穂高。 今回、季節は冬。繊細で危ういところのある美貌の少年真紘が、意を決して愛する穂高に会いに、東京へやって来た物語。 穂高との関係に対してまだ少し恐れのようなものがあった真紘ですが、独り新宿へ降り立つ彼の心境が、そこへ踏み込んで行こうという彼の決意を象徴していたように思います。 そうして真紘は、穂高の住む世界や彼を取り巻く人々を知り、その中で揉まれながら、少しずつ気持ちを固めてゆく… 短い東京滞在の中、奇しくも出演することになった芝居の役どころが、真紘に自分の気持を確認させるシーンは見事でした。 感情と情景を滑らかに絡めた表現が本当に美しく、映画を見ているようでした。 前作の穂高目線の時もそうでしたが、真紘の心が揺れる様を見るのが本当にハラハラします。 自分の気持ちの熱さ強さに、真紘自信が壊れてしまうのではないか、と。 それでも一歩一歩不器用に前に進んで行こうとする真紘に、「生きて幸せを願う」ことを主張した強さが重なりました。 そんな諸々があるからこそ、体を重ねるシーンが崇高に見えるのですね。 同性同士というのは、性器でもって繋がることができないし、愛が結実することもありません。それでも惹かれ合う様は崇高ですらあり、肉体を通り越した、魂の渇望のように思いました。 もしかしたらそれはBLという括りではなく、真紘というキャラクターがそう見せたのかもしれませんが。 二人は大学進学を機に一緒に暮らすことを約束しますが、それでも男同士というのは辿り着く先が見えないように思います。 そこがどうにも儚く切なく、真紘というキャラクターや作者様の素晴らしい筆力と相俟って、何とも筆舌に尽くし難い読後感でした。まるで淡い初雪のような。 遊木様、素敵な作品を読ませていただき、どうもありがとうございました。
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未知さま、改めましてこんばんは。 まずは、拙作「はつゆき」に最後までお付き合いくださいましたことに 心から感謝申し上げますm(__)m 当初、苦手だと仰っていたBLの世界に引きずり込んでしまったことに対する恐縮と、 そのうえで、これほど素敵なレビューをお寄せいただけた日には、 私、もう嬉しさのあまり狂喜乱舞するしかないではないですか!(≧▽≦)♪ また、未知さまにはBLという括りを超えて、拙作のキャラクターである真紘に、 とりわけ深い愛情と眼差しを注いでくださったそのご厚情に 作者としていま一度深謝申し上げます。 彼の決意や心情を丁寧に掬い取ってくださり、またその不器用さ、熱さゆえに 彼自身
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