未知春生

色々なものがぎゅっと凝縮されている濃い作品で、ものすごく読みごたえがありました。 まず、冒頭の母と娘との確執。有名な染色家の母親に、染め物の知識を叩き込まれる凡庸な娘の苦しみ。 親に価値観を押し付けられることの窮屈さや苦しさは、経験のある方ならよく解ると思います。 そして、恋人。 母親から救い出してくれる救世主、何でも解ってくれる人のように見えて、実は生まれも育ちも異なる赤の他人。 彼が悪人だとは言いません。でも、その解り合えなさは絶望的。 でも、母との確執や恋人との別れを通して、主人公はようやく自分が何者であるかが見いだせてくるのです。 ラストで主人公は母の元に戻ってきました。 でも、ラストの主人公は、親に圧され気味だった冒頭の時とは全く違います。自分で道を選んだのですから。 まさに藍色を感じるような清々しい読後感でした。そして、母親とこんなふうに解り合えたら素敵だろうなと、夢を見ることができました。 こんな短い中で、それぞれの立場とそれぞれの思い、ぶつかり合う様を描き切っているのが見事です。 染色家のお母さんと実家の描写が特に素晴らしかったです。
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未知さま、拙作にこんなに素敵なレビューを書いて下さりありがとうございます!! 拙作がとても良いものにみえてきちゃいました。 拙速なせいもあるのでしょうが、いつもっと膨らませることが できたらなあと反省(?)しきりです^^; 「みくまり」 進むにつれ読みやすく、ヒロインの心情がこちらに鮮明につたわってきます。 服装や、喫茶店の道具立てなど、とても素敵ですね。 なんだか未知さんはじめみなさんどんどん旨くなっていって、私置いてけぼりになった気分でいます^^;
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烏丸様こんにちわ。 書いてしまってから、こりゃ書かない方がマシだったと思うようなレビューになってしまいました。スミマセン(^^;)自分の中で思うところがありすぎて、まとまりきらなかった結果なのです。 あんなもので上手く伝わったかわからないのですが、最後にお母さんのところに戻ってきて、そこが主人公にとって正しい居場所であってよかった、としみじみ思いました。 私の場合は困った母のところから夫に救い出してもらった形になりますが、この作品のように、自分が生まれてこの方過ごしてきた場所(母)を否定しないで済んだらどんなにかよかっただろう、と思うのです。 ですので、私にとってはインパクトのありすぎる作品で
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