うたうもの

青春期によくある、受験の重圧と、家庭問題等の様々な要素が絡まった心の葛藤を描いた作品です。 この作者の他の作品ではあまり思わないのですが、今回は、主人公がまさに作者の分身のように感じました。 巽さんという存在は、作者の憧れでもありながら、その憧れを否定したいという相反した感情の入り乱れたイデア(像)のように感じます。 巽さんのように、ネットや現実で教育関係の仕事をやっている人を知っていますが、巽さんや彼ののような存在は貴重なのだと思います。 実際教育学的には様々なセオリーがあり、学校現場では、様々な矛盾と理不尽に満ちた教育がなされていますが、だからと言って、塾講師や家庭教師のような、学校教育の真逆を教える教育も、どうかなと思います。 巽さんは多分に家庭教師的面が多いとは思いますが、それでもメンタルのことを気づかったり、大学のその先を教える意味においては、一歩進んだ教育者なのでしょう。 移住問題と教育との関連は、今とくに問題になっていることだと思います。 地方の少子化と教育の質の低下を解決できる策を、我々は早急に見つけなければなりません。 巽さんがそういったことまで踏み込むのか、個人的には興味を持ちました。 伊佐市、一度訪れてみたいと思います。
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