はじめてこの作品に触れたとき感じた静かなインパクトは、とても鮮烈だった。 思わずにっこり微笑んでしまう表紙とは裏腹に、冒頭、物語の主人公である風花が腰を下ろして眺めているのは、寂寥感をたたえた夜の海。 うっすらとしか届かない月明かりが、ひとりぼっちの孤独を増長する。 どうやら彼女は大切な人を亡くてしまい、その深い悲しみから、生きる気力を失ってしまったらしくーー。 この場所がどこなのかは判らない。どこだろうと構わない。 風花にとって彼のいないこの世界は、こんなにも荒涼とした世界なのだ。 もうこのままここで眠りについてしまおうーーそう思った時、彼女の前に見知らぬ老人が現れる。 著者であるあ きさん自ら説明の中で述べられている通り、頑張らなくても読める短めのセンテンスで綴られたこの物語、次々ページを繰っていくうちに不思議な感覚にとらわれていくことに気づく。 自分が静かな水の中に胸まで浸かってぷかぷか浮遊するなか、あ きさんの紡ぎだす飾らない優しい言葉の数々が、周囲をたゆたっている…… 水は風花が眺めている昏い海と同じく青黒い。でも恐くはないし、むしろ心地いい。 この感性、マネしようと思っても、そうそうマネできるものではないと思う。 そして、あ きさんご本人の弁にもあるように、言葉というものは、いじくり回していればそれなりに洗練はされる。 しかし、誰かに届けたいという(気持ちを込めた)言葉があるなら、ヘタな細工はせずにできるだけ素のまま伝えたほうがいい。そのほうが絶対に響く。 文章も同じだろうと思う。回りくどくそれふうに書くのはじつはそう難しくないのだ。 あ きさんの文章に触れていると、自分もこんなふうに書けたらと羨望を抱かずにはいられない。 エブリスタでの創作活動、楽しいけれど、ときどき疲れたなと感じることもあると思う。そんな時はこの作品を読んで、ゆっくり心を癒すといいと思う。 そんなステキな作品です。
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ことりはねさん(;▽;)! 素敵なレビュー!心からありがとうございます!! いつも読んでることりはねさんの 素敵な文章でレビューを頂けて☆ 読みながらドキドキしてしまいました! 胸がいっぱいになり、嬉しくて何度も読み返してしまいました…。(*´v`*) ! 私も「たいした問題ではないが」の更新に追いついたらレビューを書きたいな!とずっと前から思ってました(*´v`*)☆ 追いついたら心込めて書かせて頂きますね!!!☆(*´v`*)/ ことりはねさんはとってもハイレベルなお話を書いていらっしゃるのに、私のお話なんかを読んで下さって、ありがとうございます(;▽;)!といつも思っていまし
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いやいやいや。何をおっしゃいますですよ、あ きさん。 あ きさんは私にはとうていマネできないものを持ってらっしゃる。 拝読していてとてもいいなと思ったので、そのままの気持ちを書いたまでです^^ 私ウソつくの下手なんで、いいと思わないものにレビューをすることができません(みなさんそうでしょうけど)。 あ きさんの作品で、みなさん癒されてると思うんですよ。 出会えたことに感謝したいステキな作品です。 わぁお、レビューしてくださるんですか!? 感激です。楽しみにしていますね\(T∇T)/ たくさん読んでいただいて、ペコメもありがとうございます! とっても嬉しいです。 私、お返事してないコメン
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