本当にあった話。そして、それは百年にも満たない、ごく最近の話。それでも風化していく人々の記憶は止められません。少しでも耳を傾け、繋げていく事しかできません。戦争は愚かで、最大の過ちであると。 一つ一つの文章に心を感じます。切なく、儚く、消えてしまいそうな想いと命の輝き。それらが十分に伝わり目頭を熱くしました。胸を締め付けられました。 国の為に死ぬことが美徳だという狂った時代でも、確かに人を思いやる心はあります。残された人を想い、できる限りの足跡を残しておく。それが、大きな嘘を吐く事になったとしても、その過程には優しさが感じられました。 そして、そんな想い以外にも一つ気になる場面がありました。 それは、手紙を読んでいたかも知れない……ここです。 この文章から読み取れるのは、騙していると言う良心の呵責に苛まれているのではなく、本当に大切なことは他にある……そう読み取れます。この場面で中盤までの話が頭に蘇り、胸が締め付けられました。 確かにあった、目を背けることのできない時代の作品。多くの方に読んで頂きたいと思う作品です!

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