そらの蒼

私はなんてぬくぬくと暮らしているのだろう。 読み進める度に、そう思わされる。 『辛い現実』『この世の無情』・・・そう呼称することは、いとも容易いのに。この世に、こういう世界が存在することは知っていたのに。私には、そこに暮らすものたちの苦しみはわからないに違いない。その不甲斐なさに何度もうちひしがれたことか。 知った所で何もできない。九十九が絵札で『送る』度に、彼らの履歴が消える度にホッとしてましたが、私たちの生きる世界に、九十九はいない。 もっといえば、九十九のようなヒーロー像は、フィクションだからこその形ともいえるでしょう。 作者様からの言葉の通り、こんな形のご都合主義は、この世では通用しない。 だからこそ、私たちの『世の中を見る目、聞く耳、話す口』が今一度、問われているのかもしれません。 あなたは、この物語を単なるフィクション、娯楽小説として片付けますか?

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