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あの日の小夜子
倉橋
2018/12/10 18:31
この方の作品にはいつも驚かされる。 むだのない簡潔な文章で書かれた短篇。だが密度は濃い。 あるカップルの20年以上に亘るストーリー。 それを僅か3頁にまとめている。 その構成力にまず舌を巻く。 20年前のエピソードなど、それだけで一篇の長編になりそうだ。 普通の人間ならもっと長く書くだろう。 作者は密度の濃いエピソードを、惜しげもなく出してきて、十分以下で読めるくらい短く、味があって、深い感動を受ける短篇にまとめてしまう。 それがあまりにも短いからこそ、読者であり、一応書き手でもある自分はいつも驚かされる。 この方の文章はまちがいなくうまいんだと思う。 簡潔に書いていながら、筋書を読むような味気なさは微塵と感じられない。 だからこそ読み終わった後、心地よい感動が残る。 異論はあるものの、エドガー・アラン・ポーが、 「小説は短篇でなければならない」 と主張したことはあまりにも有名である。 この方の作品を読むと、それが正しい主張のように思えてくる。 長編に流れやすい傾向の中、この方は、短篇の可能性を追求している感すらある。 読み手の立場からハッキリ言えば、私は、この人の作品が好きだ。 書く立場から言えば、この人の作品から触発されるものは多いと考えている。 ふつうなら長編にするようなテーマを、わずか数頁にまとめる力。 私は心底羨ましく思う。
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白馬守@あずみの(低浮上)
2018/12/10 23:28
大変丁寧でステキなコメントをいただきまして、誠にありがとうございます!
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倉橋