【コメント】

道路交通標識と恋人繋ぎの関連性について

『ぬくもり』がテーマの今回において、あえて猛暑日というのが挑戦的です。「最後に人と手を繋いだのはいつだっただろう」という回想、恋人と手を繋いで買い物に行くというシチュエーション、ありがちな要素一つ一つが猛暑日と道路標識という新鮮な別の要素によって輝きを放っています。だったの三ページでありながら、似た者同士のお二人の仲睦まじく寄り添う様子が目に浮かぶようです。寒さを言い訳にしてくっつき合う冬の日のカップルと同じで、質の違う熱をぬくもりと称して共有する夏の日のカップル。ありそうでないものだと思います。いわゆるアツアツのカップルの会話に道路標識という無機質なモチーフ、たった一つの章が担う夏らしい導入の一文、あらゆる点がハイセンスな短編でした！

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