まず、公式イベントの企画準大賞おめでとうございます。 その特典でイラストをいただいていて、なんで表紙にしないのかなとずっと思っていました。なんでラストに置くのかなと。もちろん、理由あってのことというのは理解していたのですが。 最後まで読んでみて、表紙ではなく、最後に置く意味がすべて集約されている、そんな素敵なイラストでした。 さて。林檎文学、とくにヒューマンドラマ色の強い作品は本当に私の胸に響きます。 胸に響いたり共感する作品というのは多くは自分自身がどこかしら作品のような経験をしていたりするからだろうといつも思っています。 もちろん、人間想像する力はあるので、経験がなくともそこに思いを馳せることはできるのですが、作品の世界から遠く離れている生きている場合、なかなか理解しがたいというのは、ほとんどの方が感じていることなのではないかと思います。 そういう意味でも、このお話にはシンパシーを感じました。それは「あれ?林檎さん、私の過去をモデルにしてません?」って言いたくなるくらい笑 私はあの頃の自分を空気が澱んでいたなと常々感じているのですが、このお話を読んで、「そうか、そうか。水か!」と妙に腑に落ちました。 今の自分に、きれいな血が流れているとは決して思いませんが、少なくとも水道管はあのころよりもきれいです。ヘドロもずいぶんと落ち、水の臭みはずいぶんと軽減しています。 きっと主人公もあの胸中にたどり着いたのなら大丈夫。いつか水は清くなる。 そして、私自身、あの頃に感じたことを思い出し、「きれいなお水を飲んで生きていこう」ってあらためて感じました。 素敵な作品でした。出逢えてよかったです。読んでよかった。
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二条さん、「おいしいお水を飲んで進もう」を、お読みいただけて、熱いレビューまでいただけて、本当に感謝です。嬉しいです。 生きていると、どうしようもない低迷期を迎えることがあります。 仕事も恋もなにもかもがどうしようもなくて、全ての面で「これでいいの」と問いかけたくなる。 だけど答えがないまま、まるでゴムみたいにどこまでも伸びる長いトンネルの中を歩いてゆかねばならなくて。 人生に苛まれたまま歩いていると、心が澱みます。すると体もなにかだるくてうまくいかなくなって、自分の中に流れる水が汚れている気分になるものです。 水って不思議だと思うのです。 最初の一滴がいろいろなところを旅して、最終的にま

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