わたあめ*

舞台は日本から世界へ。 何度も立ち止まって考えさせられる深いテーマがありました。主人公を通して読者に「なぜ?どうして?」と訴えかけてくるように。 そして、要所要所で選ばれた曲はとても重要なメッセージを含み、物語の内容ともリンクして、深く深く引き込まれていきました。 ラフマニノフ「鐘」ではスバルの身に起こった事態の深刻さや渦巻く負の感情をより重厚に問題提起し、ラフマニノフ「ヴォカリーズ」、シベリウス「樅の木」、ドビュッシー「亜麻色の髪の乙女」からラストのリスト「愛の夢」へ向かっていきます。 他にも沢山演奏されていますが、どの曲もこの物語にとって心を震わす欠かすことのできない大切な音楽でした。 主人公達と共に悩み、想いをよせ、希望を見出す経験を私はさせていただきました。そして、それは愛と祈りに溢れているものでした。作者イノウエさんの想いがたくさん込められている作品だと思います。 ー繰り返し読みたい小説ー 音楽を流しながら読み込みたい小説です。 クラシックファンにも、そうでない方にも、小説と音楽が融合するこの「愛の夢」を是非体験していただきたいです。素敵な作品をありがとうございました!
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