佐倉 理恵

まず、多重人格を題材にすることに驚きました。多重人格は難しい題材だと思います。そして、多重人格は強いストレスが原因で起こるということは理解しておられるようで、安心しました。こう言ってはいますが、私も多重人格を理解しているわけではないので、家にある精神系の本を読み返してみようかなという気になりました。 何かあるとすれば、もう少し情景描写と表情の描写があればいいなと思いました。軽井沢ってどんなところなのか。その時の風の吹き方とか、空模様とか。商店街は明るいのかとか、どんな音楽が流れていて客層はどんな人がいるのかとか。 表情の描写は一人称や二人称だと語り手の表情を伝えるのは難しいものがありますが、三人称であるなら語り手含め登場人物の表情や仕草を思いっきり書いていいと思います。「眉をひそめる」「口角が上がる」など、顔の一部分を使った書き方をするのも一つの手だと思います。 文字数制限のあるイベントに出しているわけでもないなら、そういった文を加えながらもう少しゆったり描いてもいい作品のように感じました。 しかしながら弘美と沙也加のギャップや西林さんと出会ってからの沙也加の心の変化など、雰囲気は出ています。その「雰囲気」というのはなかなか言葉にできるものではないのですが、文の書き方、文末の使い方もお上手なのでしょうね。良い作家さんに出会えました。
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佐倉 理恵様、レビュー有難う御座います。とても嬉しいです。これから小説を書く上で参考になり、また励みにもなります。
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