天川夏織

とても深い内容の小説で素晴らしいと思います。 月が落ちてくることのパニックを描くのではなく、人々の日常の一コマを描くという目の付け所も文学的に価値が高いと思います。 伊坂氏などの小説をイメージしてしまいます。 物語中の2人の会話もセンスがあると感じます。構成も終わりも絶妙と言っていいでしょう。 ましてや投稿1作目にして、これぐらい書けるというのは素晴らしい才能があるように思います。 ここからは個人的感想として気になった点を。 序盤に特に同じ単語の反復が目に付きます。やや単調な響きになるので、少し表現を工夫すると良いかも知れません。 中盤から後半にかけては物語の核心に関係してくるのですが、作者がこの物語で伝えたいことって何だろう、という視点で読むとちょっとぼやけた感じがするように思います。 ストーリーにも起伏があって、文章も手馴れているけど、何か足りない。何だろう?ってずっと考えてるんですが、もしかしたら女のほうが謎めきすぎてて、その女が登場する意味を私が理解してないだけなのかな、と思います。
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