まっきー劇場

まずはhideさん、じっくりと連載を進めてここに完結! お疲れ様でした。 エブリ内において突如読み手から書き手に転向し、その優れた才能を開花させ、瞬く間にファンを得て読む者を虜にしていった新鋭作家のhideTさん。彼が挑む本格ミステリーと知れば興味が湧かないはずは無い。そんな思いからある程度更新が溜まった段階でまとめ読みという形で拝読させて頂きました。 hideさんの作風と魅力は登場人物の心理描写を細部に織り交ぜながら絡み合う重厚な人間ドラマ。そこに独自の視点と表現、情景描写が煽る緊張感である。今回の「indomit saki」にもその手腕はいかんなく発揮されている。これまでの作品が空想的なものであっただけに、リアル世界をhideさんがどう描くのかに注視した。 まずは着眼点。これには「やられた」というのが感想である。世界屈指の残虐組織、メキシコの麻薬カルテルを持って来たことだ。実は僕もこれをテーマにした麻薬戦争ものが構想にあっただけに、hideさんとの共通の視点に笑みがこぼれた。しかしこれを日本という舞台でどう絡めていくのだろうかという疑問と共にオープニングの家族の崩壊から一気に引き込まれるのである。そこからはhideさんワールドの幕開けとなる。雑誌社、ライター、ジャーナリスト、刑事、それにに対しての警察庁警備局。物語はあまりに特殊な事件と犯人の影に不気味なうねりを漂わせ、その渦に読者は巻き込まれて行く・・・。 とりわけサキの殺傷術は目を見張るものがあった。メキシコ仕込みのマチューテでも振り回すのかと思いきや意表を突いた華麗な舞である。これは是非映像で観てみたいと思った。hideさん独自の発想なのか、または何か参考にした武術があれば教えて頂きたいと思う。 物語はやがて復讐劇へと変貌を遂げていく。応援をする反面、危うい立場の姉弟をどう最後に捌くのか。それはhideさんの良心が垣間見られたラストであった。彼女はどこへ消えたのだろう。それは読者の心の奥底へ委ねられたのである。続編を望む読者はそこに希望を見出すだろう。いや彼女のことは放っておいてくれと願う読者もいるだろう。その答えは現段階ではhideさん自身も分からないのかも知れない。 hideさんにはこの先もじっくりと重厚な作品を書き続けて頂きたい。
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まっきーさん、素晴らしいレビューをありがとうございます。 一流の書き手は一流の読み手でもあると思い知りました。愛情と深みを感じさせていただける解説、恐れ入ります。 こんなに作品の深部まで掘り下げていただき、感謝の念に堪えません。 サキの殺傷術は、大本はブラジルのカポエイラでしたが、それだと実戦的な面で疑問な点が残るで、空手やシステマ的な動きを加味したつもりです。 ラスト、サキが消えていった海。 さすが。まっきーさんの仰るとおりです。私もわかりません。何か示すべきか、それとも読者の想像に任せたままにしておくべきか、まだまだ答えは出せません。 そうですね。重厚な作品を書いていきたいです。 私に
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早速の返信をありがとうございました。 一流とは恐れ入ります(^^) しかしそうでないまでも、全ジャンルの上位作品の常連さんのいくつかを試し読みした時に愕然としました。その「薄さ」と「文体」に・・・。内容なのか? 時代なのか? 正直言って「俺の作品ってこれ以下なの?」と、もう何だか馬鹿らしくなってきました。「携帯小説」というスタイルを継続させているのが主流なのだろうか、あの異常な空白、改行、小説や日本語の基本的なルール無視のオンパレード。酷いものは「ら抜き言葉」を平気で進行している。会話文なら分かるが、解説文で使われている。異常な空白で書かれた1ページはスクロールする作業が忙しい。例えばhid
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