小原ききょう

「まだ寒いのに・・そんな恰好、早いよ」 そう僕が言っても、君は僕の言葉に耳を傾けない。 「この恰好が好きなのよ!」 君は季節を先取りしたいのか、薄手のシャツだけで草原を駆けていく。 春のような君の速さと、冬に埋もれたままの僕の心。 そんな君のスピードに、冬の中の僕が追いつくはずがない。 春のような君に、また僕は恋を始めた。
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