擬天傘

イベントにご参加いただきありがとうございます!最後まで拝読いたしましたので、ちょっと感想を書かせてください。 最初に一言だけ言わせてください。 つれぇ。 こう、やるせない感情に覆われたまま、青年が諦念に満ち満ちて世を去っていく話、最後に救いがあっても辛いですね。そういう話がいいかどうかは読者によって違いますが、僕には辛かったです。 ただ、読者の感情を揺さぶっているということで、独りじゃないは完結した作品になっているんですよね。 ところでこの作品、ところどころすごいリアルなんですが、りふるさんの身近な人で近いような方がいらっしゃるのか、もしくはりふるさんご自身が執筆中に閉塞感を感じられていたのでしょうか……。僕は無作法に推測するだけですが、どうかそれらが全て外れであることを祈っています。 りふるさんが気にされていた、「分かりにくいか、くどくないか」問題ですが、これはあえて文章を削って最低限の文章だけで分かってもらおうと意図しているのではありませんか? 病室や家族を映す現実の描写から、彼と木の会話から死へ向かっていく際に、リアルな描写やあまりに強い絶望の説明は、雰囲気を崩しかねないですもんね。それに、彼からは充分に穏やかな諦めを感じられる以上、辛い描写は追い討ちをかけるだけな気がします。 だから、彼のおかれた状況が分かる部分だけ残して、木との会話場面へスムーズに移行させていったのでは!? と、いうのは僕の邪推です。 大丈夫です、りふるさんが読者を信じてギリギリまで削りこんだ文章からは、彼の諦めと絶望をひしひしと感じます。 全11ページ、充分な量だと思います。終わり方にもくどさは感じられませんから、ご心配されなくてもよいのではないでしょうか。 ただ一点、彼が巻き込まれた事故の描写ですが、ここだけ説明がアクション小説的のようで、全体の中で浮いてはいないでしょうか。 右、左、と方向を示す言葉が頻出するので、彼と女の子とタクシーの位置関係を把握するのが難しく感じます。 横断歩道、女の子、傘、飛び出した、目の前にタクシーのヘッドライト などのキーワードを軸に、誰がどうなった、を意識して伝えてみるのはいかがでしょうか。 でも、気になる部分はここだけです。他は全体の反対も統一されているので、特に気になる部分はありませんでした。 簡単ですが、以上になります。 完結、おめでとうございます。
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早速のレビューをありがとうございます。 しかもたくさん書いてある……すごく嬉しいです。 あれもこれも省いてしまいました。具体的なものを取っ払って。 主人公には余計なものはもう要らなかったんです。 怒りも恨みも消えて、髪も剃って自分の在り処への執着も捨てた。 だから私も全部削ってしまいました。 そこをくみ取っていただけるとは思ってもいませんでした。 なにせ、こそぎ落としてしまったので、さすがに足りないかと思っていたので。 リアルと言っていただいてそれも嬉しい。 確かにいろいろありましたし、あるし。 けれど、『書く』ということで昇華できているような気がします。 ご心配をありがとうございます。

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