擬天傘

イベントにご参加いただきありがとうございます!公開されている部分を拝読いたしましたので、感想を書かせてください。 神代の話から世界を流転して、主人公は自分の持つ力と宿命を理解していく。 概要を見ると、手塚治虫先生の火の鳥に似たテーマですよね。輪廻転生を繰り返して、人の生き方を見せてくれる作品でした。 さて、雫さんは「ひとりよがりになっていないか、伝えたいことがきちんと伝えられているか」を気にされていましたよね。 地の文はきちんと描写をされているため、読者に理解してもらおうと工夫されているのがよく分かります。読者を置いていってしまうような印象はありません。 ただ、地の文の描写をもう少し充実すると、情景がよく分かるのではないでしょうか。廻りの螺旋の描写は動作を示す短めの文章が多く使われています。それが多く並べられることによって、物語のテンポが軽快になって会話に目が行くようになる反面、読者の目線が字面を滑っていくような感じがします。 「誰が何をどのようにどうする」はしっかりされているため、小説の雰囲気を作るためのツールのひとつとして、地の文を充実させていただきたいと思いました。 続いて、伝えたいことがきちんと伝えられているか、です。これはそもそも、僕がちゃんと読み取れているかにもよりますよね。 主人公の母である女神レアは、主人公が神の手から解放されて幸せになることを望むものの、その祈りは叶うまで解き放たれることのない呪いになって主人公を縛り付ける。 主人公は母が願う幸せに自分も含まれることに気付いて、自己の幸福を模索するようになる。母からの独立と自己意識の確立が主題になっているのかな、なんて思いながら読んでいました。 もし、おおよそ間違ってなければ、意図は間違いなく伝わっています。「全然違うなぁ」ということでしたら、僕がもっと読解力を鍛えることと、少し構成を工夫してみる、半々ということでいかがでしょう(笑)。 もし、伝わりやすくするのであれば、たとえば、神の目線を増やすと分かりやすくなるかもしれません。廻りの螺旋なら、ばばの視線。時間軸に囚われず、主人公を俯瞰し導いてくれる人の目線が入ると、読者は流れを追いやすくなると思います。 輪廻転生、命という難しいテーマで、まとめあげたことまず、まずすごいことだと思います。 完結、本当にお疲れさまでした。
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まずお礼申し上げます。レビューありがとうございます。こんなに早く読んで下さるとは、感激しております。 辛口コメントを覚悟しておりました。アドバイス何度も読み返させて頂きました。次につなげられるよう刻みたいと思います。ありがとうございます。 読みとって頂いた通りすぎて、ようやく胸を撫で下ろしました。輪廻転生の物語はどうしても一度は描いてみたい世界でした。ひとりよがりになっていないかが一番不安でしたので、こんなにもご理解頂いて嬉しく思います。 きちんと読んでくださっただけで感謝ですのに、どうしたらもっとよくなるかのお言葉、有り難い限りです。 大変貴重なレビュー お時間ありがとうございました。

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