鬼神を呼び出し、それをあやつる少女の悲しい恋の物語。 冒頭から屋敷の屋根にうずくまる巨大な鬼蜘蛛と月夜のシーンが美しい。 鬼神を呼び出す能力があるゆえに、母に捨てられ人を殺める仕事を押し付けられる不幸な少女、胡蝶。 そんな彼女が恋したのは、皮肉にも殺害目的で近づいた源頼光でした。 最初から破滅しかない恋。 それを見守る鬼神の「鬼蜘蛛」には母性すら感じさせます。 どたんばで源頼光と渡辺綱の主従は胡蝶と鬼蜘蛛に情けをかけます。 そう描写することで、表面は雅やかであっても無情な公家社会が、野生的ながらも情がある武家社会に時代が移り行くことを鮮やかに切り取って描いています。 「なでしこの花」の姉妹編としても、独立した作品としても楽しめる物語でした。
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WOW! 素晴らしいレビューをありがとうございます。 こんなに褒めていただいて、よろしいのでしょうか。 嬉しい限りです。 作者コメント・解説は、このレビューを前にして、逆に作品価値を下げかねないので遠慮させていただきます。 ありがとうございました。 はやくもよいち 蛇足ですが…… 戦闘シーン以外のクライマックス執筆中はKiroro「Best Friend」をHeavy Rotationして頑張りました。<(_ _)>

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