お母さんが座った位置。 そう、この時、お母さんはそちらへ座るべきだからそこに座った。流石だ。お母さんもだが、それを書かれたツヅキさんも。これはみんな知っているようで意外と知られていない。人の心理をよく理解してらっしゃる。 そう、彼女の作品は、人の心理をよく理解した上でその描写を精密に折り込みながらも、ふとした仕草という描写で情景や登場人物の心理を想像させ、それをきちんと感じさせる事が出来る巧妙さを備えている。 そんなテクニックが今回も散らばっていた。 かの子は、普段は芯の通った女性であるのだろう。故に弱さや脆さが作中で引き立つ。津曲による、かの子へのお返しはきっと、これもまた彼の柔らかな強さだと感じられる。 まだ既婚者(であってるよね?)である者と独身である者(あってるよね?)、2人は決して一線を越える事がないように思われる。 そこには互いを求めるための心遣いや思いやり、優しさが滲む。(なにより再春だし) 兎にも角にも、洗練された言葉選びと表現により描かれる描写全てが心理描写として成り立っていると 今回、あらためて思った。 ツヅキさんの作品は心理描写に長けていらっしゃるからこそ、他の部分も含めて逸品と化す。 そしてなにより、言葉選びから始まり、文章が美しい! ……長くなっちゃった。 もうね、今後読まれる方におすすめポイントをたくさん教えてしまいたいわ~(笑)
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