自分を見守ってくれる人は、誰にでも必ずいる。忘れてはならない。
 この作品が作者の経験に基づくのか、全くのフィクションかは知らない。  ひとりの少女の回想録。  不幸な家庭環境で苦しんでいる時、そっと手を差し伸べてくれた周囲の人々とのほんのつかのまのふれあいを描いた佳作。  この小説を読むと、人間というのは、長い人生の中のほんのわずかのふれあいで助けられているのだということを実感する。  そして人間はひとりではないという当たり前の事実も・・・  例え苦しくても、それをそっと見つめている人たちは必ずいる。  希望を捨ててはならない。  そしていつか、自分が誰かの苦しみを見つめる人間になれたら・・・  そう感じさせるすばらしいひとときとなった。  この小説を読む時間は、とても有意義だったと感じている。
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