【コメント】

ポラリス

006まで読み終えてのレビューです。まず、この作品一番の特徴は1ページ辺りの文字の少なさ。携帯小説特有の文章です。それだけに、文字量の多い本が嫌いな人や若い女性にはウケのよい作品と言えるでしょう。ただ、他のレビューの方でも何人か居られますがキチッとした文体、文章量で読みたいと言う方にはお薦め出来ません。私自身、この書き方の作品は何度か読ませていただいていますが、物語を読むと言うより何度も頻繁にページを捲る、移動する単調作業に意識が行き作品の世界観に感情移入が出来ませんでした。ただ、作品の内容・世界観的に女性層、特に10代から20代辺りの若い女性が好みそうな作品ですので、作品的にみればこの書き方はアリだと感じます。また、携帯小説特有の書き方をしていながらも文法が崩れていたり表現が曖昧であったり雑に感じる部分は無く、作者の安定した技量が伺えます。エブリスタ賞本選出場も納得できる実力です。以上の事から、この作品は作品特有の"クセ"があることは間違いありません。ですが、読み手の好みに合致すれば非常にのめり込みやすく、世界観の津波に飲み込まれ気づけば読み終えていた、なんて程に没頭できる作品です。無論、その高い文章力から好みに合わずとも十分高い満足感を得られるそんな作品と言えます。

・2件

ﾍﾟﾄﾙｰｼｭｶ 2012/8/22 23:21

失礼、エブリスタ賞ではなく正しくはMF文庫のライトノベル賞でしたね。間違いをお詫び致しますと共にこの場をもって訂正とさせていただきます。

爽義弘 2012/8/22 23:34

詳細なレビューありがとうございました。ワンクリックという限られた条件の中で、果たしてどれくらいの作品ができうるのか。かなり実験的なさくひんでもあります。ただ、初めの一行二行くらいの文量のところはいずれ畳んでいくつもりです。