あーる

偶然で必然な出会いきらめく物語【ネタバレ含みます】
諦念と希望は背中合わせ。 幸せになれないという思いは、裏返せば幸せになりたいと強く望んでいること。 主人公未森君は利発で、それでいて「嫌だな」という口癖で本当の自分を悟られないよういつもどこか掴みどころのない小悪魔を演じてる。 それは求めることを諦めざるを得ないある出来事を深く深く胸の奥底に沈めておくためのカモフラージュ… 鬼才演劇作家の久遠さん。彼との偶然の出会いで未森君の世界が少しずつ変わっていく。 否定し打ち消しながらも、ゆっくりと心に灯っていく静かな恋心。 未森君がトラウマを乗り越え、明日を、未来を求めるまでの過程が、繊細でかつ自然に描かれていき、読者はいつの間にか未森君に寄り添ってしまいます。彼が過去から解放されることを願い、諦めながらも求めてしまう久遠さんへの想いに切なさを募らせしまう。 そしてまた久遠さんも。 どうして未森君の本質を察せるのか。 読み進めていくとわかる、その理由。 そして読み返すと気づく、久遠さんの調子の良さの裏側に潜ませた気遣いと優しさ、そして臆病さ。過去に縛られ小さくうずくまる未森君の背中をゆっくりと摩り、溶かすように、守るように接する久遠さんの気持ちが流れ込み、涙が浮かんでしまいました。 そんな察することができる久遠さんだからこそ、未森君は心開けたのでしょうね。 最初怖いと感じていた見抜かれてしまうことが、いつしか未森君の心を軽くしていく。 そして、久遠さんが抱え続けてきた後悔の念も未森君の過去を辿ることで一緒に昇華されてゆく。 何人も過去は変えることはできない。でも、今を、この先を、望むものに近づけることはできる。もし一人なら挫けることもあるけれど、共に手をとるパートナーがいれば叶うと思える。 このふたりは、やはり偶然で必然。出会うべくして、添うべくして存在していると強く感じました。 きっと二人なら、久遠さんが夢見る、誤魔化すことなく笑い合うあの洋食屋の夫婦のような家族になれる。そんな未来を思わせてくれる甘いエンディングに、晴れ晴れしく爽やかな余韻を感じます。 広い夜空に輝く、手の届かないものと思いながら求めていた星。 そして、たった一人寂しく、密やかに見つけてもらえることを祈り輝いていた星。 それぞれがそれぞれに輝く『きら星』をその手に…心に煌めく星を感じる素敵なお話ありがとうございました!
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あーるさーん!!!(≧▽≦)♪ 実は、せっついてはならぬと思いながらも、 完結からこちら、あーるさんからのレビューを 首長でお待ちしておりました!(笑) まずは、いつもながらの素晴らしく的確で緻密なレビュー、 本当にありがとうございますm(__)m あーるさんの言葉を通して見る私の作品世界はいつも、 自分自身が感じていたものよりも ふわりと温かくてやさしい手触りなのです。 それはおそらく、あーるさんが私の作品のキャラたちに 向けてくださる眼差しが同じように温かくてやさしいから。 今作でも、連載中からこちら、 未森と久遠、ふたりへのやわらかな視点がぎゅうっと濃縮された たくさんのぺコメや感想コ
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千周さん、おはようございます! 早速の返信ありがとうございます。 送るからね、と宣言したし、きっと千周さんも待ってるはず、と勝手に自惚れてました(っ´ω`c)アハ が、しかし、GW。自由な時間があるようでなかなか自分の好きなことだけに時間を割けないもどかしさに、ふつふつ(笑) 『きら星』に感想を送らせてもらうにあたっては、絶対全編通しての読み返しをしたく、感想を書くまで時間がかかってしまったしだいです(´ω`)トホホ… お待たせしちゃってごめんなさい🙏 そう、あの洋食屋でこんな家族を、と言った久遠さん。あの言葉は未森君も含めた未来だと伝わってきました。 レビューでも触れましたが、久遠さんの
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