冷たい指先が熱を帯びるのは、どんな時?
『わずかに心を刺されたような痛みがした』 主人公の充輝が感じたのは……なぜですか……? 彩葉の心が、自分以外の男に向いていたから? 彼女のまっすぐに人を思う気持ちが、過去を思い起こさせたから? それともその時、恋に落ちたから、ですか…? 二人の作者が交互に書いているとは思えない自然な視点の移り変わりに驚きました。140ページの物語ですが、読みはじめたら、タグ「#短編」に偽りなし!と思うこと間違いなしです。 合コンでの嘘の混じった会話、作った笑顔。のぞき見している感覚だったのに、充輝と彩葉、二人の気持ちにいつの間にか引き込まれていました。 恋する女の子は、いつだって努力してしまうもの。 だって好きでいて欲しい。大好きなあなたに釣り合いたい。愛玩動物みたいにではなくて、認められたい。 恋する女の子は強がり。 無理してるって思われたくない。頑張っているところは見せたくない。 でもやっぱり、好かれるためだけの努力も、自分の大切なものを否定するのも辛すぎる。 冷たい彩葉の指先が熱を帯びる時はどんな時なのか、ラストまで気になってしまいました。
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