NOV

もしも自分なら……と想像して。
もしも私がミサトなら。 辛い記憶を忘れようとしたところで、きっと完全に消し去ることはできない。だけど、心の1番奥に押しやって、そこから沸き上がる怒りのエネルギーを前に進む力に変えたい。簡単なことではないけれど。 もしも私が母ならば。 娘の異変と自分の夫とが無関係ではないことに、きっと気付くに違いない。そして、真実を知ったなら、自分の身を切られるよりも辛い苦悩を味わうだろう。 女性は得てして忍耐強い。だからこそ、深い苦悩を抱えることもある。 ミサトは父から遠ざかり、母は現実から目を背けることで、逃げるという選択ができただけ、救われたんじゃないかな。 母には、正面から向き合ってミサトを守ってほしかったけれど。
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