有栖川 露陰

森鴎外『文づかひ』及び『ふた夜』は19世紀の将校さんに興味津々な者には非常に有り難い作品です。 『文づかひ』はザクセン王国に派遣された日本人将校の体験したザクセン貴族社会での出来事を描いた作品ですが、演習の様子とか宮中儀礼の華やかな描写が非常に魅力的です。 『ふた夜』は翻訳作品ですが、1840年代のオーストリア帝国軽騎兵将校が主人公となっており戦闘シーンもあります! しかも突撃のバトルクライが『フルラア』ときてます! 騎兵魂が揺さぶられますね!乗馬したことありませんが(;´・ω・) ラデツキー将軍云々と書いてありますからロート作『ラデツキー行進曲』と同じ、第一次イタリア統一戦争の頃が舞台でしょうか。 ヴィスコンティ『夏の嵐』の舞台もオーストリア帝国支配下の北イタリアで、大体その頃でしょうか。 トルストイや鴎外など軍人出身の作家の作品にはミリタリー小説創作のタネがいっぱいで、とても勉強になります。 兵站のアレコレにも言及してたりもしますし。
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