三上優記

レビュー
何気ない日常の1コマですが、どこかふわりと心を温かくさせる、優しい話だと思いました。話の展開もわかりやすく、読んでいて「あぁ、こういう子供の時の何気ない思い出っていいよなぁ」なんて思える作品です。箒に跨るのはファンタジー世界を夢見る人間の性ですね。 基本的に強く違和感を感じる部分はなかったのですが、少し気になった所を。 中盤で藤井君が菅野さんの傘を見つけに学校まで戻る場面があって、「途中で何人かの上級生がびしょ濡れの俺を見て変な顔をしていたが」、「先生に見つかったら何か言われそうだとびくびくしていたが」という文がありますが、強い雨が降っている中でびしょ濡れの人を見ても変な顔はしないのでは? どうしてびくびくしているのだろう? と少し疑問に思いました。細かい部分ですが。 また最後の「やっぱり彼女は、本当に魔法使いなのかもしれなかった。」という一文が少し引っ掛かりました。しれなかった、というと過去形なので、魔法使いではなかったけど、魔法使いだったかも、というような意味合いになってしまうので直前の「俺は今でも、信じてるよ」と矛盾してしまうのでは? と思いました。今でも魔法使いであることを信じているなら「本当に魔法使いなのかもしれない」の方が良いかと思います。
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レビューありがとうございます。 綺麗かつ温かい空気感を目指したので、お褒めの言葉とても嬉しいです。 指摘していただいた部分について、 藤井は走ったが故にびしょびしょになってるのですが、見た人からすると、傘ささずに外出たの……?という困惑があるかなという感覚で書きました。しかし、確かに不審に思われる描写はやりすぎかもしれません。再考します。 最後の「〜しれなかった。」は、完全に語感の問題でした……「魔法使いなのかも」という部分で現在形、「しれなかった。」は語感をよくするための付随のイメージでした。細かいところは自分でも気づきにくいので、現在形と過去形の関係に対するご指摘、大変参考になります。 丁
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