高美濃四間

幾重にも絡まる愛情が解けることなく、繊細に美しく紡がれる……
前作に引き続き、楽しませて頂きました。 まず序盤の外伝ですが、狂おしいほどの魅力を秘めたジルに翻弄される男と女の物語。 視点が主人公のジルでなく、新キャラの二人となっている。これがまた人間味を感じられて良い! 美しい心理描写と舞台が、彼らの儚い触れ合いをよく表現できており、感服しました。 そして、続編。 美しく綺麗に纏まっており、ヒューマンドラマとしての完成度の高さは凄まじいですね。家族愛の温かさと美しさと強さと…… その温かく繊細な雰囲気に魅せられました。 ジルの父とエシーが対峙するシーンでは、お互いの思いが痛いほど伝わり、エシーの「……上等だわ……」が凄くカッコよかったです。 また、ジルの母がクラ―レットに味方したシーンは、心にじわりと熱が広がりました。 全体を通して気になった点がいくつかありました。 ・地の文で、説明文とキャラの心理描写が入り混じり違和感を感じました。特に、キャラの心の声などは、()で囲ってはどうでしょうか? ・一つの場面で、頻繁に視点が入れ替わり、主語が「俺」、「私」、「ジルベール」といったように、ぐちゃぐちゃになっている部分がありました。これは統一した方が良いかと思います。 ・場面が変わったとき、キャラの視点も変わることがありますが、「誰の視点か」、「いつなのか」、「場所はどこなのか」が明確になっておらず混乱することがありました。場面の冒頭で、ある程度場面のイメージがしやすいように説明があると読者としては助かります。 以上、総じてロマンチックなストーリ展開で、ヒューマンドラマとして完成度の高い良作でした。 素敵な作品をありがとうございました!
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レビューありがとうございます。 番外編時の主人公は個人的に「やさぐれ期」と呼んでおりまして、危うい魅力や周囲の人々が翻弄される様を書けていたなら、とても嬉しいです。 >>続編について  前作では書かずにいた父親とエシーの場面が印象に残すことができたようで何よりです。  このやり取りがあったからこそ、あの場でジルベールと駆け落ちすることができなかったので……  また、いろいろな事がありすぎましたが、ジルベールの両親は孫が大好きなのです。 ご指摘の点について >>心理描写と人称について  前作同様ですが、実は三人称に挑戦したくて試してみた部分があります。余裕ができ次第
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揺らぐことのない家族愛が良かったです! 三人称は私も好きですので、良いとおもいます。 ただ、「オゥエシーズは~」という地の文から「私は~」というように主語が変わるのは混乱してしまいました( ´-`) 全体の流れや語る視点については問題ありません。 ただ、場面が変わったとき、状況をイメージができないまま進んでいたことがあります…… 私の趣味の問題もあるかと思いますので、参考程度に捉えて頂ければ幸いです(^^)d
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