西 東

むしろ新鮮です。
あとがきにもありますが、機械が人になろうとする物語は今は見ないだけにかえって新鮮でした。 人が機械に意識を移行し不死化する物語や未来の予測は見かけますが、それとは真逆な物語にはしっかりとした考察があり現実的なだけに引き込まれます。 それとともに、果たしてどちらである事が良いのか登場する様々なキャラクターの考えに導かれて思わずどちらが良いかとも考えしまいますね。 そして生きる事や生きて行く意味、人ってなんだろうとも考えさせられます。 また納得の行く筈の描写が時折、無機質さを際立たせて寂しく感じる部分がありました。 特に宇宙船内での過ごし方は合理的でしたが、機械と人の違いが際立つ描写に、無意識にキャラクターを人らしくとらえてしまっていたのか、棺桶の様にも感じられてしまいました。 それ以外にも恒星の名称などに、細部までSFとしての遊び心があって楽しめる作品です。
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いつもレビュー、ありがとうございます。 連作を書いていくうちに、登場する人間が、欲のために悪事を働くやつばっかりになっていき、はたして人間ってのは憧れる存在なのか、と当初思っていなかったテーマが浮上してきて、アルンたちロボットとの対比が強調されてきました。 たぶん人間の悪い面を反面教師として見ることで、アルンらがいい人間になってくれたら、と作者として思うようになってきました。また、ミコネフのように生き方もまたありだとも思います。人間になんてなりたくない、というミコネフの主張が、宇宙という過酷な場所での活動を描くことで、読者にも納得できるようにしましたし、最終章のストレートなサブタイトルもその表
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