ユッキー氏はどこへ行くのか?新作に垣間見える新たな挑戦の息吹・・・
 ユッキー氏は、愛犬、シーと作者自身の分身を主人公にしたシリーズを書き続けている。作品中、愛犬、シーの愛らしい画像も紹介され、多くのファンをつかんでいる。  私は当初、ユッキー氏の作品について、氏の経験を基にしたメッセージ小説と解釈していた。  今もメッセージ小説という解釈を放棄する気にはならない。  しかしながら最近の作品を読む限り、氏の長編の登場人物とも重なるかたちで、明らかにフィクション色が強くなってきている。  一方では、メッセージ小説としての趣も、以前より相当ハッキリしたものになっている。  私は、最近の氏のシリーズについては、現代社会や文明への批判を、聖書で描かれる終末の刻につなげていると解釈している。  氏の小説は、聖書をはじめ、大江健三郎、村上春樹などへの深い造詣。そして氏自身の解釈も込められているため、ユッキー氏のメッセージを正確に読み取るには、いきおいそうした知識をも求められることになる。  この小説は、現代社会、文明に失望し批判しつつ、何とか現状を変えたいと考える氏の熱いメッセージだと私は読み取った。  どれだけの読者が、このメッセージを正確に読み取り共鳴してくれるか?  氏の祈るような思いがこめられた読者への挑戦と受け取った。  純文学とは、読者自信も小説に参加することである。  私は、多くの人々が、ユッキー氏の熱い思いを受け止め、氏の作品に参加し下さることを、一読者として願ってならない。    
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倉橋さんいつも本当にありがとうございます もう感謝しかありません 素敵なレビューありがとうございます これからもよろしくお願いします 体調はいかがですか? お大事になさってください
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