ホラーとしても、時代小説としても、優れた書き出しだと思います。
椿の木しか生えていない森。不気味さのビジュアルが抜群です。時代小説を思わせる文体も見事。新九郎が森を放浪する様子は、人生に迷っている現在の姿とも重なります。赤子に見える巨木に気づく描写も丁寧です。ましてや、助けられたと思っていた尼僧が異形を見せる場面はゾッとしました。ホラーとしても、時代小説としても、優れた書き出しだと思います。
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