未知春生

素直でまっすぐなファンタジー
※ネタバレあり ファンタジーと言っても、テンプレートな転生もの、ありがちな魔法世界で勇者が冒険を繰り広げていくようなお話ではありません。 素朴で、温かみと人間味があって、奇を衒っていないまっすぐさ。 現実ではないどこかに、こんな世界と物語が広がってるんだ。 そう思わせてくれる、良質で夢の広がるファンタジーです。 こんなお話を、まだ心の柔らかい子供たちに是非読ませたいと、いつも思います。ラストがいつもハッピーエンドなのも安心ですね。 * 戦争で家族を失ったウパは、人買いに騙されて船に乗せられていく途中、幽霊船に出会う。人買いたちの船が逃げるため、ウパは囮にされて幽霊船へと差し出されてしまう。 幽霊船には謎の子供ルーンと、中身が虚ろな動く鎧「ブジン」がいた。 そうしてルーンとウパは、人外の魔物エジエルの棲む人ヶ島へと連れてこられてしまう。魔物エジエルの魂を移し替える、新しい肉体の提供者として。 そこからルーンとウパ、そしてたった一体仲間になったブジンのモルとの冒険が始まる。初めは逃げ出すつもりだったウパは次第にルーンと心を通わせるようになり、エジエル討伐を目指して恐ろしい城へと進んでいく。 ストーリーはとても単純ですが、島という逃げ場のないところでの攻防、ダンジョンに迷い込んだような城内での冒険、ラストの圧倒的魔力をもつエジエルとの戦いなど、ゲームをしているようにドキドキハラハラで楽しめました。 ルーンの言葉の仕組みをあれこれ考えたり、モルの心について思いを巡らせたり、またルーンの正体を妄想してみたり… とても楽しかったです。朝7時の2ページは毎日の楽しみでした。 またこんなお話を読みたいです。 どうもありがとうございました!
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未知春生さま こんにちは/こんばんは。 いつも、素敵なレビューを御寄せ頂き、ありがとうございます。 >素直でまっすぐなファンタジー >素朴で、温かみと人間味があって、奇を衒っていないまっすぐさ。 作者冥利に尽きる御言葉です。 ちゃんと読んで頂けたているのだと、感慨ひとしおです。 ラストがいつもハッピーエンドなのが、ワンパターンと言えばワンパターンなのですが、 バッドエンドを考えて書き始めても、登場人物に感情移入してくると、ハッピーなラスト シーンが思い浮かんでしまうんですね。 それで良いのか悪いのか……。 次回作は短編。 その次は、地球ともう一つの星の物語。 その次が、現代ファンタジー
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